分野 S|セキュリティ 重点分野
AIを使う攻撃・AIへの攻撃・サプライチェーン攻撃・ゼロデイ攻撃
今の制度の過去問には出ていませんが、新しいシラバス案(Ver.0.1)にある項目です。問われるとしたらの形でまとめています。
シラバス案 Ver.0.1(2026年9月30日公表)の『2 攻撃手法/AIを悪用した攻撃』『2 攻撃手法/AIシステムに対する攻撃』『2 攻撃手法/サプライチェーンを狙った攻撃』『2 攻撃手法/その他・特殊・高度な攻撃』
最終更新
問われ方
- 問われるとしたら:事例で、ディープフェイクや音声クローンによる依頼への対応を選ぶ形
- 問われるとしたら:直接と間接のプロンプトインジェクションを見分ける形
- 問われるとしたら:ジェイルブレイク、データポイズニングの説明を a〜c で選ぶ形
- 問われるとしたら:事例で、ソフトウェアサプライチェーン攻撃とゼロデイ攻撃を見分ける形
覚えること
- マルウェア亜種の自動生成:既存のマルウェアを AI を使って作り替え、検知を避けやすくなるおそれがある
- フィッシング文面の巧妙化:AI を使って自然な文面を作られ、見分けにくくなるおそれがある
- ディープフェイク・音声クローン:AI を使って作った偽の映像や声で、上司や取引先になりすます
- ディープフェイクへの対応:依頼とは別の連絡手段で本人に確認する
- プロンプトインジェクション(直接、間接):AI への入力に悪意ある指示を紛れ込ませ、動作を誘導する
- 直接のプロンプトインジェクション:攻撃者が細工した指示を、AI に直接入力する
- 間接のプロンプトインジェクション:AI が参照するメールや Web 上のデータに、指示を仕込む
- ジェイルブレイク:AI の保護措置(セーフガード)を解除させ、拒否される要求に応じさせる
- データポイズニング:学習データに手を加え、AI の判定や振る舞いを狂わせる
- ソフトウェアサプライチェーン攻撃:開発・提供の要素(ライブラリ、ツール、更新の配布)と繋がりを悪用する
- サプライチェーン攻撃の影響:攻撃を受けた組織は、取引先に損害を与える足掛かりにもなる
- ゼロデイ攻撃:ベンダー等が脆弱性対策情報を公表する前に、その脆弱性を悪用する
- その他の攻撃の用語例:ゼロデイ攻撃、サービス及びソフトウェアの機能の悪用
ひっかけ
- プロンプトインジェクションは AI への指示の混入、データポイズニングは主に学習データの汚染
- ゼロデイ攻撃は公表前の脆弱性を、公表後で未対策の間の脆弱性を突くのは N デイ攻撃
想定問題
4問(科目A(四択))。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
B さんの対応として、最も適切なものはどれか。
正解:エ 電話をいったん切り、社員名簿に登録された連絡先で役員本人に依頼の事実を確認し、確認できるまでリセットを保留する
ポイント
事例で、音声クローンによる依頼への対応を選ぶ問題です。
考え方と解き方
AI を使って作った偽の声は、本人と区別がつかなくても、本人である根拠になりません。ヘルプデスクの立場では、アカウントの再発行は乗っ取りに直結するので、依頼が本物かどうかを、依頼とは別の手段で確かめることを先に考えます。
- 電話の番号は名簿にないものでした。声が本人と同じに聞こえても、音声クローンによるなりすましの可能性があります。
- 電話を切り、名簿に登録された連絡先で本人に確認し、確認できるまでリセットを保留します。したがって、最も適切なのは エ です。
ほかの選択肢
- ア 声が本人と区別できることは、本人である根拠になりません。リセットして伝えてから報告するのでは、乗っ取りを防げません。
- イ 同じ電話の中での質問は、なりすましている相手に対して行うことになります。依頼とは別の手段での確認になっていないので、適切ではありません。
- ウ 記録の見直しはリセットのあとなので、乗っ取りを防げません。リセットを保留していない点が適切ではありません。
覚えておくこと
- ディープフェイク・音声クローン:AI を使って作った偽の映像や声で、上司や取引先になりすます
- ディープフェイクへの対応:依頼とは別の連絡手段で本人に確認する
(テーマ・覚えること)
この AI の動作に当たる攻撃として、最も適切なものはどれか。
正解:イ AI が参照した外部のデータに仕込まれた指示により、AI の動作を誘導する、間接のプロンプトインジェクション
ポイント
AI が外部のデータに従って動いた場面を、間接のプロンプトインジェクションと見分ける問題です。
考え方と解き方
プロンプトインジェクションは、悪意ある指示を AI に与える攻撃です。指示を与えるのが、攻撃者や利用者が AI に直接入力する形か、AI が参照するデータの中に仕込む形かで直接と間接に分かれます。この場面で指示を入力したのはだれかを先に考えます。
- C さんは指示を入力していません。指示は、AI が要約のために参照した外部の Web ページの中にありました。
- AI が参照するデータに仕込まれた指示で動作が誘導されているので、間接のプロンプトインジェクションです。したがって、最も適切なのは イ です。
ほかの選択肢
- ア 保護措置を解除して拒否される要求に応じさせるのはジェイルブレイクで、利用者が入力した指示による攻撃です。この場面は、Web ページの中の指示による動作です。
- ウ データポイズニングは、学習に使うデータに手を加える攻撃です。この場面では、学習データは変えられていません。
- エ 直接のプロンプトインジェクションは、攻撃者が細工した指示を AI に直接入力します。この場面では、C さんも攻撃者も AI に入力していません。
覚えておくこと
- 間接のプロンプトインジェクション:AI が参照するメールや Web 上のデータに、指示を仕込む
- 直接のプロンプトインジェクション:攻撃者が細工した指示を、AI に直接入力する
- データポイズニング:学習データに手を加え、AI の判定や振る舞いを狂わせる
(テーマ・覚えること)
次の a〜c のうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a ジェイルブレイクは、AI の保護措置を解除させて、通常は拒否される要求に応じさせる行為である。
- b データポイズニングは、AI に入力した指示に悪意ある命令を紛れ込ませ、その場の応答を誘導する攻撃である。
- c 音声クローンは、AI で特定の人の声に似せた音声を作り、電話などでなりすます手口に使われる。
正解:ウ a、c
ポイント
AI に関わる攻撃の説明の適切さを、a〜c で見分ける問題です。
考え方と解き方
AI への攻撃は、何に手を加えるかで区別します。入力する指示に手を加えるのか、学習データに手を加えるのかです。a〜c は互いに独立なので、一つずつ適切かどうかを決めてから組合せを探します。
- a は適切です。保護措置を解除させる行為です。b は不適切です。入力した指示に悪意ある命令を紛れ込ませる攻撃はプロンプトインジェクションで、データポイズニングは学習データに手を加える攻撃です。c は適切です。声に似せた音声でなりすまします。
- したがって、適切なのは a、c の全てで、ウ です。
ほかの選択肢
- ア b は不適切なので、含められません。また、c も適切なので、a、b では組合せが合いません。
- イ b は不適切なので、a、b、c の全てとはなりません。
- エ b は不適切です。また、a も適切なので、b、c では組合せが合いません。
覚えておくこと
- ジェイルブレイク:AI の保護措置(セーフガード)を解除させ、拒否される要求に応じさせる
- データポイズニング:学習データに手を加え、AI の判定や振る舞いを狂わせる
- プロンプトインジェクション(直接、間接):AI への入力に悪意ある指示を紛れ込ませ、動作を誘導する
(テーマ・覚えること)
B さんが受けた注意喚起の内容に当たる攻撃として、最も適切なものはどれか。
正解:ア 開発や提供の過程を狙って不正な処理を紛れ込ませる、ソフトウェアサプライチェーン攻撃
ポイント
事例で、ソフトウェアサプライチェーン攻撃を見分ける問題です。
考え方と解き方
更新プログラムが正規の配布元から届いたのに、不正な処理が混入していた点が手がかりです。攻撃者は、利用者を直接狙わず、提供の過程の要素を狙っています。管理者の立場では、提供元を信頼しても影響を受けるおそれがあることを先に考えます。
- 正規の配布元から入手した更新プログラムに、不正な処理が混入しています。これは、開発や提供の過程の要素を悪用する、ソフトウェアサプライチェーン攻撃の特徴です。
- 脆弱性の公表前の悪用や、AI の学習データ、偽サイトの話は出てきません。したがって、最も適切なのは ア です。
ほかの選択肢
- イ ゼロデイ攻撃は、脆弱性対策情報の公表前にその脆弱性を悪用する攻撃です。この場面には、脆弱性の悪用が出てきません。
- ウ データポイズニングは、AI の学習データに手を加える攻撃です。この場面は業務ソフトの更新プログラムの話です。
- エ フィッシングは、偽のサイトで認証情報を盗む手口です。この場面には、偽のサイトが出てきません。
覚えておくこと
- ソフトウェアサプライチェーン攻撃:開発・提供の要素(ライブラリ、ツール、更新の配布)と繋がりを悪用する
- サプライチェーン攻撃の影響:攻撃を受けた組織は、取引先に損害を与える足掛かりにもなる
- ゼロデイ攻撃:ベンダー等が脆弱性対策情報を公表する前に、その脆弱性を悪用する
(テーマ・覚えること)
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