分野 S|セキュリティ 重点分野

生体認証とパスワードレス認証(FRR・FAR・パスキー)

今の制度の過去問には出ていませんが、新しいシラバス案(Ver.0.1)にある項目です。問われるとしたらの形でまとめています。

シラバス案 Ver.0.1(2026年9月30日公表)の『4 技術的管理策に関する技術・手法(情報アクセスの管理)/生体認証』『4 技術的管理策に関する技術・手法(情報アクセスの管理)/パスワードレス認証』

最終更新

問われ方

  • 問われるとしたら:本人拒否率(FRR)と他人受入率(FAR)の説明を選ぶ形
  • 問われるとしたら:しきい値を変えた時の、FRR と FAR の変化を選ぶ形
  • 問われるとしたら:場面と立場から、生体認証やパスキーの扱いを選ぶ形

覚えること

  • 生体認証:本人の身体や行動の特徴で、本人かどうかを確かめる認証
  • 身体的特徴:静脈パターン認証、虹彩認証、顔認証など
  • 行動的特徴:身体の形ではなく、動作のくせに表れる特徴
  • 判定は、登録した特徴との照合の結果が、しきい値を超えるかで決まる
  • 本人拒否率(FRR):本人なのに、誤って拒否される割合
  • 他人受入率(FAR):他人なのに、誤って受け入れられる割合
  • しきい値を厳しくすると、FAR は下がり、FRR は上がる
  • しきい値をゆるめると、FAR は上がり、FRR は下がる
  • 他人に使われる被害を重く見る場面では、FAR を低くする設定を検討する
  • 本人が拒否された時に備え、再試行や別の手段を用意しておく
  • 生体情報は、パスワードのように取り替えることができない
  • パスワードレス認証:パスワードを入力せずに、本人を確かめる方式
  • パスキー:利用者側の秘密鍵で署名し、サーバーは公開鍵で検証する
  • パスキーはパスワードを入力せず、サーバーにも盗む物がないので、盗まれにくい
  • 端末の生体認証や PIN は、秘密鍵を使うための本人の確認に使う
  • ワンタイムコード:使い捨ての確認用コード

ひっかけ

  • FRR(本人を拒否)と FAR(他人を受入)の取りちがえ
  • パスキーでも、端末を使う本人の確認は必要

想定問題

4問(科目A(四択))。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1科目A(四択)

H さんが行う設定として、最も適切なものはどれか。

A 社の情報セキュリティ管理者の H さんは、機密性の高い設計資料の保管室の入室に、静脈認証装置を導入する。装置は、判定の厳しさ(しきい値)を段階で設定できる。この部屋では、権限のない者の入室を防ぐことを最優先する。本人が拒否されたときは、やり直しても構わない。

正解:エ しきい値を厳しい段階に設定し、拒否された本人には別の手段を用意する。

ポイント

生体認証の設定を、目的に合わせて選ぶ問題です。

考え方と解き方

しきい値を厳しくすると他人は入りにくくなる代わりに、本人も拒否されやすくなります。管理者の立場なら、守りたい物に対して、どちらの誤りを小さくするかを先に考えます。

  1. 権限のない者の入室を防ぐのが最優先なので、他人受入率を低くします。そのために、しきい値を厳しくします。
  2. 厳しくすると本人拒否率が上がるので、拒否されたときの再度の照合や別の手段を用意します。したがって、最も適切なのは エ です。

ほかの選択肢

  • ア しきい値をゆるくすると、他人受入率が上がります。最優先の目的に合いません。
  • イ 本人拒否率と他人受入率を同程度にしても、他人受入率が十分に低いとは限りません。目的に合いません。
  • ウ 再試行を制限なく認めると、他人が何度も試みて受け入れられるおそれがあります。

覚えておくこと

  • 他人に使われる被害を重く見る場面では、FAR を低くする設定を検討する
  • しきい値を厳しくすると、FAR は下がり、FRR は上がる
  • 本人が拒否された時に備え、再試行や別の手段を用意しておく

(テーマ・覚えること)

想定問題 2科目A(四択)

I さんが選ぶ装置と理由の組合せとして、最も適切なものはどれか。

A 社の利用部門の責任者の I さんは、顧客の個人情報を扱う端末に、顔認証装置を導入する。他人が本人になりすまして使うことを防ぐのを優先する。本人が拒否されたときは、パスワードで代替できる。装置 P は、本人拒否率が 4%、他人受入率が 0.1%である。装置 Q は、本人拒否率が 1%、他人受入率が 1%である。

正解:イ 装置 P を選ぶ。他人受入率が低く、他人に使われる危険を抑えられる。

ポイント

本人拒否率と他人受入率を、目的に合わせて比べる問題です。

考え方と解き方

本人拒否率は使いやすさ、他人受入率は安全性に関わります。どちらが小さいほど良いかを取りちがえやすい所です。この立場なら、なりすましを防ぐ側の率を先に見ます。

  1. なりすましを防ぐのが優先なので、他人受入率の低い装置を選びます。他人受入率は、P が 0.1%、Q が 1%で、P の方が低いです。
  2. P は本人拒否率が高いですが、拒否されたときはパスワードで代替できます。したがって、最も適切なのは イ です。

ほかの選択肢

  • ア 装置 Q は、本人拒否率が低くても、他人受入率が P より高く、他人に使われる危険が大きくなります。
  • ウ 2 つの率の合計では、目的に合う比べ方になりません。優先するのは他人受入率で、Q は P より高いです。
  • エ 本人拒否率は、本人が誤って拒否される割合で、他人の使いにくさとは関係しません。

覚えておくこと

  • 本人拒否率(FRR):本人なのに、誤って拒否される割合
  • 他人受入率(FAR):他人なのに、誤って受け入れられる割合
  • 他人に使われる被害を重く見る場面では、FAR を低くする設定を検討する

(テーマ・覚えること)

想定問題 3科目A(四択)

生体認証とパスキーについて、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

A 社の情報セキュリティ管理者の J さんは、従業員向けの認証の資料に、次の a〜c を書いた。
  • a パスキーは、パスワードを入力しないので、偽サイトに入力して盗まれる危険が小さい。
  • b パスキーでは、サーバーに秘密鍵を預け、端末に公開鍵を置く。
  • c 生体情報は、パスワードのように取り替えることができない。

正解:ウ a、c

ポイント

パスキーの仕組みと、しきい値の影響を問う問題です。

考え方と解き方

パスキーの鍵の置き場を取りちがえやすい所です。秘密鍵は利用者側に置き、サーバーは公開鍵で検証します。

  1. a は適切です。パスワードを入力しないので、偽サイトで盗まれにくくなります。b は不適切です。秘密鍵は利用者側に置き、サーバーが持つのは公開鍵です。c は適切です。生体情報は、漏えいしても取り替えられません。
  2. したがって、適切なのは a、c の全てで、ウ です。

ほかの選択肢

  • ア b は不適切なので、a、b とはなりません。また、c も適切なので、含まれていないと合いません。
  • イ b は不適切なので、a、b、c の全てとはなりません。
  • エ a も適切なので、b、c だけでは組合せが合いません。また、b は不適切です。

覚えておくこと

  • パスキー:利用者側の秘密鍵で署名し、サーバーは公開鍵で検証する
  • パスキーはパスワードを入力せず、サーバーにも盗む物がないので、盗まれにくい
  • 生体情報は、パスワードのように取り替えることができない

(テーマ・覚えること)

想定問題 4科目A(四択)

N さんが行う対応として、最も適切なものはどれか。

A 社の利用部門の責任者の N さんは、従業員が取引先を装った偽サイトにパスワードを入力し、社外サービスの認証情報を盗まれた事故を受け、ログイン方法を見直すことにした。偽サイトに入力しても盗まれにくい方法にしたい。サービスはパスキーに対応している。

正解:ア パスキーでのログインを設定し、端末での PIN や生体認証で、使う人を確認させる。

ポイント

フィッシングで認証情報を盗まれた後の見直しで、パスキーを選ぶ問題です。

考え方と解き方

偽サイトに入力させられる物は、盗まれるおそれがあります。パスワードを長くしても、変えても、入力する限り同じです。この立場なら、入力させられる物をなくす方法を先に考えます。

  1. パスキーは、パスワードを入力せず、利用者側の秘密鍵で署名します。偽サイトに入力する物がなく、サーバーにも盗む物がありません。
  2. 端末での PIN や生体認証は、秘密鍵を使うための本人の確認です。したがって、最も適切なのは ア です。

ほかの選択肢

  • イ パスワードを長く、定期的に変えても、偽サイトに入力すれば盗まれます。
  • ウ メールで届くコードも、偽サイトに入力させられるおそれがあります。パスワードの入力もなくなりません。
  • エ 別のパスワードにしても、偽サイトに入力させられれば、そのサービスのパスワードは盗まれます。

覚えておくこと

  • パスキー:利用者側の秘密鍵で署名し、サーバーは公開鍵で検証する
  • パスキーはパスワードを入力せず、サーバーにも盗む物がないので、盗まれにくい
  • 端末の生体認証や PIN は、秘密鍵を使うための本人の確認に使う

(テーマ・覚えること)

1問ずつの画面で解く(4問)

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