分野 S|セキュリティ 重点分野
情報セキュリティの考え方(CIA・ゼロトラスト・責任共有)
今の制度の過去問(6回分)では、ゼロトラストの説明を選ぶ問題が1問出ています。
シラバス案 Ver.0.1(2026年9月30日公表)の『1 情報セキュリティの考え方/情報セキュリティの考え方』『1 情報セキュリティの考え方/情報セキュリティマネジメントの考え方』
最終更新
問われ方
- ゼロトラストの説明を、ほかの用語の説明と区別して選ぶ形
- 問われるとしたら:事例で、損なわれた特性(機密性・完全性・可用性)を選ぶ形
- 問われるとしたら:クラウド利用で、利用者が管理する範囲を選ぶ形
- 問われるとしたら:業務に必要な範囲だけのアクセス権を決める形
覚えること
- 機密性:情報が漏えいしないようにすること
- 完全性:改ざんや誤りがないようにすること
- 可用性:必要な時に、必要な人が利用できるようにすること
- 機密性・完全性・可用性に加え、真正性、責任追跡性、否認防止、信頼性が関わる
- 多層防御(Defense in Depth):複数の対策を重ねて守る考え方
- 境界型セキュリティ:境界で内と外を遮断し、内側は信頼できる前提
- ゼロトラスト:境界の内部の侵害も想定し、要求ごとに必要最小限の権限で制御する考え方
- ゼロトラストは考え方(概念)で、特定の製品を指すものではない
- セキュリティバイデザイン:企画・設計の段階から情報セキュリティを確保する
- プライバシーバイデザイン:設計の初期から個人情報の保護を組み込む
- 情報セキュリティ事象:情報セキュリティに関係し得る出来事。まず評価する
- 情報セキュリティインシデント:事象のうち、事業や情報セキュリティを脅かす確率が高いもの
- 利用者アクセス権の管理(need-to-knowの原則):業務上必要な者に、必要な範囲だけ与える
- 責任共有モデル:クラウドの事業者と利用者が、責任を分けて共有する考え方
- 責任の範囲は一律でなく、契約で明示する
- SaaS:利用者は、扱うデータと外部からのアクセス権限の設定を管理する
- IaaS:利用者は、OS から上(OS・ミドルウェア・アプリケーション)とデータの管理、脆弱性対応を担う
- 外部委託・クラウド・生成 AI サービスの利用も、管理の対象に含めて考える
ひっかけ
- 可用性(使えること)と完全性(正確であること)の取りちがえ
- クラウドを使っても、設定とアクセス権の管理は利用者の側に残る
- ゼロトラストは、製品を入れれば実現するものではない
想定問題
4問(科目A(四択))。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
B さんが、A 社が管理すべき事項として挙げるものとして、最も適切なものはどれか。
正解:エ 共有リンクの公開範囲と、利用者アカウントの権限の設定
ポイント
クラウドの責任共有モデルで、利用者側の管理範囲を問う問題です。
考え方と解き方
責任共有モデルでは、事業者が管理する範囲と、利用者が管理する範囲が分かれます。管理者の立場では、事業者に任せられず自社で設定を選べる部分は、自社の責任として先に考えます。
- SaaS では、利用者は、扱うデータと、外部からのアクセス権限の設定などを管理します。アプリケーション層以下の実装、設定、更新及び運用は、事業者が管理します。
- 共有リンクの公開範囲と利用者アカウントの権限は、利用者が設定する事項です。したがって、最も適切なのは エ です。
ほかの選択肢
- ア 建物への入退室の管理は、データセンターを運用する事業者が管理する事項です。
- イ サーバーの OS の更新は、アプリケーション層以下を管理する事業者の仕事です。
- ウ ネットワーク機器の設定と運用も、データセンター内の基盤として事業者が管理します。
覚えておくこと
- 責任共有モデル:クラウドの事業者と利用者が、責任を分けて共有する考え方
- SaaS:利用者は、扱うデータと外部からのアクセス権限の設定を管理する
- 責任の範囲は一律でなく、契約で明示する
(テーマ・覚えること)
損なわれた情報セキュリティの特性の判断として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a サーバーの障害で停止し、営業時間中に利用できなくなった受注システム:可用性が損なわれた。
- b 誤った入力で、数量が違う値に書き換わった受注データ:機密性が損なわれた。
- c 権限のない者に閲覧された顧客リスト:機密性が損なわれた。
正解:ウ a、c
ポイント
事象から、損なわれた特性を見分ける問題です。
考え方と解き方
機密性は漏えいしないこと、完全性は改ざんや誤りがないこと、可用性は必要な時に使えることです。事象の結果が、見られたのか、変わったのか、使えなくなったのかを先に見分けます。
- a は適切です。必要な時に利用できなくなったのは、可用性が損なわれた例です。b は不適切です。値が書き換わったのは、完全性が損なわれた例で、機密性ではありません。c は適切です。権限のない者に閲覧されたのは、機密性が損なわれた例です。
- したがって、適切なのは a、c の全てで、ウ です。
ほかの選択肢
- ア b は不適切なので含められません。また、c も適切なので、a、b では組合せが合いません。
- イ b は不適切なので、a、b、c の全てとはなりません。
- エ b は不適切です。また、a も適切なので、b、c では組合せが合いません。
覚えておくこと
- 機密性:情報が漏えいしないようにすること
- 完全性:改ざんや誤りがないようにすること
- 可用性:必要な時に、必要な人が利用できるようにすること
(テーマ・覚えること)
C さんが付与する権限として、最も適切なものはどれか。
正解:ア 顧客 X の注文書のフォルダーに、注文対応に要る閲覧と編集の権限だけを付ける。
ポイント
利用者アクセス権を、業務上必要な範囲に決める問題です。
考え方と解き方
need-to-know の原則は、業務上その情報を知る必要がある者にだけ、必要な範囲で権限を与える考え方です。利用部門の責任者の立場では、便利さや将来の備えよりも、今の担当業務に必要な範囲かを先に考えます。
- D さんの担当は顧客 X の注文対応だけなので、必要なのは、顧客 X の注文書のフォルダーに対する権限だけです。取引条件と見積原価のフォルダーは、業務に必要がありません。
- したがって、最も適切なのは ア です。
ほかの選択肢
- イ 担当替えへの備えは、今の業務に必要な範囲ではありません。全体への編集の権限は、必要を超えています。
- ウ 閲覧だけでも、担当外の取引条件と見積原価を見られるので、必要な範囲を超えています。
- エ 期限を付けても、全体に権限を付ける点は変わらず、担当業務に必要な範囲を超えています。
覚えておくこと
- 利用者アクセス権の管理(need-to-knowの原則):業務上必要な者に、必要な範囲だけ与える
(テーマ・覚えること)
B さんの見直しの方針として、最も適切なものはどれか。
正解:イ 社内からも VPN 経由でも、要求ごとに利用者と端末の状態を確認し、必要最小限の権限だけを許可する。
ポイント
ゼロトラストの考え方に基づく対応を選ぶ問題です。
考え方と解き方
境界型は、内側を信頼できる前提にします。ゼロトラストは、境界の内部が侵害されることも想定するので、接続元が社内か社外かで確認を省けません。この立場なら、接続元ではなく、要求ごとの確認と権限の絞り込みを先に考えます。
- ゼロトラストは、境界の内部の侵害も想定したうえで、要求ごとに必要最小限の権限でアクセス制御を行う考え方です。VPN 経由か社内かは、確認を省く理由になりません。
- したがって、最も適切なのは イ です。
ほかの選択肢
- ア VPN に接続できたことで、社内と同じとみなして確認を省くのは、内側を信頼する境界型の前提です。
- ウ 接続時に一度確認しただけで、期間を決めずに全体への接続を許可するのは、要求ごとの確認でも、必要最小限の権限でもありません。
- エ 社内からの要求の確認を省くのは、内側を信頼する前提です。ゼロトラストでは社内でも確認します。
覚えておくこと
- ゼロトラスト:境界の内部の侵害も想定し、要求ごとに必要最小限の権限で制御する考え方
- 境界型セキュリティ:境界で内と外を遮断し、内側は信頼できる前提
(テーマ・覚えること)
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