分野 D|タックスプランニング
給与・退職・雑所得の計算
過去の公開問題では、5回分にはまだ出ていませんが、出題範囲にある論点をまとめています。
最終更新
よく出る形
- 5回分の公開問題には、このテーマの問題はまだありません
- 出題されるとしたら、給与所得・退職所得・公的年金等の雑所得の計算や、控除の扱いを選ぶ記述
覚えること
- 給与所得の金額=給与等の収入金額-給与所得控除額
- 給与所得控除額(2025年分):収入金額が190万円以下出どころなら、最低保障額の65万円出どころ
- 給与所得控除額(2025年分):最低保障額の範囲を超え360万円以下出どころは、収入金額×30%出どころ+8万円
- 給与所得控除額の上限:収入金額が850万円超出どころのとき195万円出どころ
- 特定支出控除:特定支出の合計が給与所得控除額の2分の1出どころを超えるとき、確定申告で超える部分を給与所得の金額から差し引ける
- 所得金額調整控除(子ども・特別障害者等の場合):給与収入が850万円超出どころで、本人が特別障害者か23歳未満出どころの扶養親族がいる
- 所得金額調整控除(同)の額=(給与収入〔上限1,000万円出どころ〕-850万円出どころ)×10%(最大15万円)
- 退職所得の金額=(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×2分の1出どころ
- 退職所得控除額(勤続20年出どころ以下):40万円出どころ×勤続年数。最低額は80万円
- 退職所得控除額(勤続20年出どころ超):800万円出どころ+70万円×(勤続年数-20年)
- 勤続年数の端数は切り上げて数える。障害者になったことが直接の原因の退職は、控除額に加算がある
- 2分の1出どころの例外:役員等の勤続年数が5年以下出どころの特定役員退職手当等は、2分の1をかけない
- 2分の1出どころの例外:勤続5年以下出どころの短期退職手当等は、控除後の額のうち300万円を超える部分に2分の1をかけない
- 公的年金等の雑所得の金額=公的年金等の収入金額-公的年金等控除額
- 公的年金等控除額の最低保障額(公的年金等以外の所得が1,000万円以下出どころ):65歳出どころ以上は110万円、65歳未満は60万円
- 最低保障額になる年金収入:65歳出どころ以上は330万円以下出どころ、65歳未満は130万円以下
- 参考:2026年12月1日施行の改正で、2026年分・2027年分は最低保障額が74万円出どころ(収入220万円以下出どころ)になる
数字と計算
ひっかけ
想定問題
4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
所得税における給与所得、退職所得および公的年金等に係る雑所得の計算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解:4 勤続年数が20年を超える場合の退職所得控除額は、1年あたり70万円に勤続年数の全部を乗じて計算する。
ポイント
給与所得・退職所得・公的年金等の雑所得の計算について、最も不適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
退職所得控除額は、勤続年数が20年以下かどうかで式が変わります。20年を超える場合に、1年あたり70万円をかける年数を取りちがえると、誤りの記述が適切に見えます。
- 退職所得控除額は、勤続年数が20年を超える場合、800万円に、20年を超えた年数1年あたり70万円を加えた額です。
- 4)は、70万円を勤続年数の全部にかけているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 4 です。正しくは、800万円+70万円×(勤続年数-20年)の算式により計算する、です。
ほかの選択肢
- 1 給与所得は、収入金額から給与所得控除額を引いて求めます。控除額は収入金額に応じて増えますが、上限額が設けられているので、適切です。
- 2 退職所得は、収入金額から退職所得控除額を引いた額に2分の1をかけて求める(役員等・短期の例外を除く)ので、適切です。
- 3 公的年金等に係る雑所得は、収入金額から公的年金等控除額を引いて求めるので、適切です。
覚えておくこと
- 退職所得控除額(勤続20年超):800万円+70万円×(勤続年数-20年)
- 退職所得の金額=(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×2分の1
- 公的年金等の雑所得の金額=公的年金等の収入金額-公的年金等控除額
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:退職所得の金額の計算(収入金額から控除額を引いた額に乗じる割合)・退職所得控除の式が変わる勤続年数・退職所得控除(勤続20年超、20年を超える1年あたり)・退職所得控除(勤続20年超、20年分の額)
所得税における給与所得の計算に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解:3 給与所得者の特定支出の合計額が一定額を超えるときは、確定申告により、その超える部分を給与所得の金額から差し引くことができる。
ポイント
給与所得控除額の上限と、特定支出控除・所得金額調整控除のしくみを問う問題です。
考え方と解き方
給与所得者には、給与所得控除のほかに、特定支出控除や所得金額調整控除があります。どの控除が確定申告を要するか、どんな人が対象かを取りちがえやすい所です。
- 特定支出控除は、特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1を超えるときに、確定申告によって、超える部分を給与所得の金額から差し引く制度です。年末調整だけでは受けられません。
- 3)は、この内容と同じです。したがって、最も適切なのは 3 です。
ほかの選択肢
- 1 上限額がないとしている所が違います。給与所得控除額は、収入金額が850万円超のとき、上限の195万円です。
- 2 年末調整だけで足りるとしている所が違います。特定支出控除は、確定申告をして受けます。
- 4 すべての給与所得者が受けられるとしている所が違います。子ども・特別障害者等がいる場合の所得金額調整控除は、給与収入が850万円超で、本人が特別障害者か23歳未満の扶養親族がいる人などが対象です。
覚えておくこと
- 特定支出控除:特定支出の合計が給与所得控除額の2分の1を超えるとき、確定申告で超える部分を給与所得の金額から差し引ける
- 給与所得控除額の上限:収入金額が850万円超のとき195万円
- 所得金額調整控除(子ども・特別障害者等の場合):給与収入が850万円超で、本人が特別障害者か23歳未満の扶養親族がいる
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:特定支出控除の適用判定の割合(給与所得控除額に対する)・給与所得控除が上限額になる収入の境目・給与所得控除の上限額・所得金額調整控除(子ども・特別障害者等)の対象となる給与等の収入金額・所得金額調整控除の扶養親族の年齢
所得税における退職所得控除額に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる数値の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
正解:3 (ア)40万円、(イ)80万円、(ウ)70万円
ポイント
退職所得控除額の算式に入る数字を問う問題です。
考え方と解き方
退職所得控除額は、勤続年数が20年以下かどうかで式が変わります。3つの数字(1年あたりの額、最低額、20年を超えた分の1年あたりの額)の置き場所を取りちがえやすい所です。
- 勤続年数が20年以下の退職所得控除額は、40万円×勤続年数で、最低額は80万円です。これが(ア)と(イ)です。
- 勤続年数が20年を超えると、800万円に、20年を超えた年数1年あたり70万円を加えます。これが(ウ)です。したがって、最も適切なのは 3 (ア)40万円、(イ)80万円、(ウ)70万円 です。
ほかの選択肢
- 1 (ア)と(ウ)が入れかわっています。勤続20年以下の1年あたりは40万円、20年を超えた年数1年あたりは70万円です。(イ)の80万円は合っています。
- 2 (イ)と(ウ)が入れかわっています。最低額は80万円、20年を超えた年数1年あたりの加算は70万円です。(ア)の40万円は合っています。
- 4 (ア)と(イ)が入れかわっています。1年あたりは40万円、最低額は80万円です。(ウ)の70万円は合っています。
覚えておくこと
- 退職所得控除額(勤続20年以下):40万円×勤続年数。最低額は80万円
- 退職所得控除額(勤続20年超):800万円+70万円×(勤続年数-20年)
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:退職所得控除の式が変わる勤続年数・退職所得控除(勤続20年超、20年分の額)・退職所得控除(勤続20年以下、1年あたり)・退職所得控除の最低額・退職所得控除(勤続20年超、20年を超える1年あたり)
下記〈資料〉に基づき、Aさんの退職所得の金額として、最も適切なものはどれか。なお、Aさんの退職手当等は、特定役員退職手当等および短期退職手当等には該当せず、障害者になったことが直接の原因による退職でもないものとする。
・勤続年数:30年(端数なし)
・退職手当等の収入金額:3,000万円
正解:2 750万円
ポイント
勤続30年の退職手当等から、退職所得の金額を求める問題です。
考え方と解き方
間違えやすい所は2つあります。勤続20年を超えると式が変わること、控除額を引いたあとで2分の1をかけることです。
- 勤続年数が30年なので、20年を超える式を使います。退職所得控除額は、800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円です。
- 退職所得の金額は、(3,000万円-1,500万円)×2分の1=750万円です。したがって、最も適切なのは 2 750万円 です。
ほかの選択肢
- 1 50万円:70万円を、20年を超えた年数ではなく勤続年数の全部にかけた額です((3,000万円-(800万円+70万円×30年))×2分の1)。70万円は、20年を超えた年数の分だけです。
- 3 900万円:勤続20年以下の式(40万円×勤続年数)を、勤続30年にそのまま当てはめた額です((3,000万円-40万円×30年)×2分の1)。20年を超えるときは、800万円を使う式になります。
- 4 1,500万円:2分の1をかけ忘れた額です(3,000万円-1,500万円)。退職所得は、控除額を引いた額に2分の1をかけます。
覚えておくこと
- 退職所得の金額=(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×2分の1
- 退職所得控除額(勤続20年超):800万円+70万円×(勤続年数-20年)
- 退職所得控除額(勤続20年以下):40万円×勤続年数。最低額は80万円
(テーマ・覚えること)
数字の出どころ:退職所得控除の式が変わる勤続年数・退職所得の金額の計算(収入金額から控除額を引いた額に乗じる割合)・退職所得控除(勤続20年超、20年分の額)・退職所得控除(勤続20年超、20年を超える1年あたり)・退職所得控除(勤続20年以下、1年あたり)・退職所得控除の最低額
この本文の数字の出どころ
- 給与所得控除の最低保障額が使われる収入の上限(令和7年分) 190万円以下
- 給与所得控除の最低保障額 65万円
- 給与所得控除の30%の区分の上端 360万円以下
- 給与所得控除の速算(収入190万円超360万円以下の区分) 30%
- 給与所得控除の30%の区分の加算額 8万円
- 給与所得控除が上限額になる収入の境目 850万円超
- 給与所得控除の上限額 195万円
- 特定支出控除の適用判定の割合(給与所得控除額に対する) 2分の1
- 所得金額調整控除(子ども・特別障害者等)の対象となる給与等の収入金額 850万円超
- 所得金額調整控除の扶養親族の年齢 23歳未満
- 所得金額調整控除の計算に使う給与等の収入金額の上限 1,000万円
- 所得金額調整控除の控除率 10%
- 所得金額調整控除の控除額の上限 15万円
- 退職所得の金額の計算(収入金額から控除額を引いた額に乗じる割合) 2分の1
- 退職所得控除の式が変わる勤続年数 20年
- 退職所得控除(勤続20年以下、1年あたり) 40万円
- 退職所得控除の最低額 80万円
- 退職所得控除(勤続20年超、20年分の額) 800万円
- 退職所得控除(勤続20年超、20年を超える1年あたり) 70万円
- 特定役員退職手当等の役員等勤続年数(2分の1をかけない) 5年以下
- 短期退職手当等の短期勤続年数(役員等以外) 5年以下
- 短期退職手当等で2分の1をかけない部分の境(控除後の額) 300万円
- 公的年金等控除の最低保障額の条件(公的年金等以外の合計所得金額) 1,000万円以下
- 公的年金等控除の年齢の区分 65歳
- 公的年金等控除の最低保障額(65歳以上、公的年金等以外の所得1,000万円以下) 110万円
- 公的年金等控除の最低保障額(65歳未満、公的年金等以外の所得1,000万円以下) 60万円
- 65歳以上の最低保障額(110万円)が使われる年金収入の上限 330万円以下
- 65歳未満の最低保障額(60万円)が使われる年金収入の上限 130万円以下
- 給与所得控除の最低保障額・令和8年度改正後 74万円
- 給与所得控除の最低保障額が使われる収入の上限(令和8・9年分) 220万円以下
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