分野 S|セキュリティ 重点分野

暗号方式(共通鍵・公開鍵・ハイブリッド・鍵管理)

今の制度の過去問(6回分)では、共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式の特徴、同じ鍵を使う暗号方式、ハイブリッド暗号の特徴が3問出ています。

シラバス案 Ver.0.1(2026年9月30日公表)の『7 暗号技術(技術的管理策のうち「暗号の利用」に対応)/暗号方式の種類・鍵管理』『7 暗号技術(技術的管理策のうち「暗号の利用」に対応)/共通鍵暗号』

最終更新

問われ方

  • 共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式の特徴を選ぶ形
  • 暗号化と復号に同じ鍵を使う暗号方式を選ぶ形
  • ハイブリッド暗号方式の特徴を選ぶ形
  • 問われるとしたら:事例で、鍵と暗号化したデータの扱いを選ぶ形
  • 問われるとしたら:鍵管理や危殆化の a〜c の組合せの形

覚えること

  • 共通鍵暗号方式:暗号化と復号で同じ鍵(共通鍵)を使う方式
  • 共通鍵暗号方式の特徴:処理は速いが、相手ごとに固有の鍵を作り、管理する必要がある
  • 公開鍵暗号方式:暗号化と復号で異なる鍵(公開鍵と秘密鍵)を使う方式
  • 公開鍵と秘密鍵:公開鍵は相手に渡す鍵で、秘密鍵は持ち主だけが持つ鍵
  • 公開鍵暗号方式の使い方:受け取る人の公開鍵で暗号化し、その人の秘密鍵で復号する
  • 公開鍵暗号方式の特徴:鍵の受け渡しは容易だが、共通鍵暗号方式より処理が遅い
  • RSA 暗号:公開鍵暗号方式の代表的な方式。大きな合成数の素因数分解の困難さが根拠
  • ハイブリッド暗号:データを共通鍵で暗号化し、その共通鍵を公開鍵で暗号化して送る
  • ハイブリッド暗号の狙い:鍵の受け渡しの容易さと、処理の速さを両立する
  • ブロック暗号:データを一定の長さのブロックに区切って暗号化する方式
  • AES:共通鍵暗号方式のブロック暗号の代表的な方式の一つ
  • 鍵管理:鍵の生成・配布・保管・更新・廃棄を決めて行う。秘密にする鍵は漏らさない
  • 鍵の保管:鍵は、暗号化したデータとは別の場所に置き、使える者を限る
  • 危殆化:鍵などが安全に使える保証がなくなった状態、又はそのおそれが生じた状態
  • 鍵の危殆化への対応:漏えいのおそれがある鍵は、使うのをやめ、新しい鍵に替える

ひっかけ

  • 素因数分解の困難さは RSA 暗号の根拠で、共通鍵暗号方式の根拠ではない

想定問題

4問(科目A(四択))。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1科目A(四択)

A 社の情報セキュリティ担当者の B さんが、機密ファイルを取引先へ送る方法として、最も適切なものはどれか。

A 社の B さんは、容量の大きい機密ファイルを、取引先の C 社へ送る。A 社と C 社の間で、共通鍵を事前に安全に渡す手段はない。C 社の公開鍵は、すでに入手している。処理の速さも必要である。

正解:エ ファイルを共通鍵で暗号化し、その共通鍵を C 社の公開鍵で暗号化して、ファイルとともに送る。

ポイント

鍵を事前に渡せない場面で、ハイブリッド暗号を選ぶ問題です。

考え方と解き方

共通鍵暗号方式は速いが、鍵を安全に渡す手段が要ります。公開鍵暗号方式は鍵を渡しやすいが、遅くなります。この立場なら、速さと鍵の渡し方の両方を満たす組合せを先に考えます。

  1. 容量が大きいので、ファイルは処理の速い共通鍵で暗号化します。共通鍵は事前に渡せないので、C 社の公開鍵で暗号化して、ファイルとともに送ります。
  2. C 社は、自社の秘密鍵で共通鍵を復号し、その共通鍵でファイルを復号します。したがって、最も適切なのは エ です。

ほかの選択肢

  • ア A 社の秘密鍵で暗号化すると、A 社の公開鍵を持つ誰でも復号できます。機密を守れないので、適切ではありません。
  • イ 共通鍵を暗号化せずに同じメールで送ると、盗み見た者が共通鍵を使ってファイルを復号できます。適切ではありません。
  • ウ 公開鍵で暗号化したデータは、対になる秘密鍵で復号します。C 社の公開鍵では復号できず、全体を公開鍵で暗号化すると処理も遅くなるので、適切ではありません。

覚えておくこと

  • ハイブリッド暗号:データを共通鍵で暗号化し、その共通鍵を公開鍵で暗号化して送る
  • 公開鍵暗号方式の使い方:受け取る人の公開鍵で暗号化し、その人の秘密鍵で復号する

(テーマ・覚えること)

想定問題 2科目A(四択)

暗号の鍵の扱いとして、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

A 社の情報セキュリティ管理者の D さんは、鍵の扱いの決まりを、次の a〜c にまとめた。
  • a 共通鍵暗号方式では、通信する相手ごとに、別の共通鍵を用意して管理する。
  • b 公開鍵暗号方式の秘密鍵は、通信する相手に渡して、復号に使わせる。
  • c 鍵が漏えいしたおそれがある時は、その鍵を使うのをやめ、新しい鍵に替える。

正解:ウ a、c

ポイント

鍵の扱いの適切さを、a〜c で判断する問題です。

考え方と解き方

共通鍵と秘密鍵は、漏えいしてはならない鍵です。鍵ごとに誰が持つかが決まっているので、渡してよい鍵か、持ち主だけの鍵かで切り分けます。

  1. a は適切です。共通鍵暗号方式は、相手先ごとに固有の鍵を作って管理します。b は不適切です。秘密鍵は持ち主だけが持つ鍵で、相手に渡すのは公開鍵です。c は適切です。漏えいのおそれがある鍵では安全を保てないので、新しい鍵に替えます。
  2. したがって、適切なのは a、c の全てで、ウ です。

ほかの選択肢

  • ア b は不適切なので含められません。また、c も適切なので、a、b では組合せが合いません。
  • イ b は不適切なので、a、b、c の全てとはなりません。
  • エ b は不適切です。また、a も適切なので、b、c では組合せが合いません。

覚えておくこと

  • 共通鍵暗号方式の特徴:処理は速いが、相手ごとに固有の鍵を作り、管理する必要がある
  • 公開鍵と秘密鍵:公開鍵は相手に渡す鍵で、秘密鍵は持ち主だけが持つ鍵
  • 鍵の危殆化への対応:漏えいのおそれがある鍵は、使うのをやめ、新しい鍵に替える

(テーマ・覚えること)

想定問題 3科目A(四択)

D さんが行う対応として、最も適切なものはどれか。

A 社の情報システム部の D さんは、ファイルサーバーのデータを AES で暗号化して保存している。暗号化に使う鍵のファイルは、暗号化したデータと同じフォルダーにあり、同じアクセス権が付いている。鍵の管理を見直すことになった。

正解:イ 鍵を、暗号化したデータとは別の場所に保管し、鍵を使える者を限って、取り出す手順を決める。

ポイント

暗号化したデータと鍵の保管のしかたを問う問題です。

考え方と解き方

鍵とデータが同じ場所にあると、データを手に入れた者が鍵も手に入れます。管理者の立場では、鍵の置き場所と、使える者を先に考えます。

  1. 鍵を、暗号化したデータとは別の場所に保管すると、データだけが漏れても復号されません。鍵を使える者を限り、取り出す手順を決めて、管理します。
  2. したがって、最も適切なのは イ です。

ほかの選択肢

  • ア 同じフォルダーに置いたままでは、データを手に入れた者が鍵も手に入れます。名前を変えても、見つけられるので、適切ではありません。
  • ウ 鍵を別の鍵で暗号化しても、復号に使う別の鍵が同じフォルダーにあれば、データを手に入れた者が全てを手に入れます。適切ではありません。
  • エ AES は共通鍵暗号方式で、公開鍵とは別の種類の鍵です。公開鍵に置き換えても、AES の復号はできず、公開すれば管理の目的にも反するので、適切ではありません。

覚えておくこと

  • 鍵の保管:鍵は、暗号化したデータとは別の場所に置き、使える者を限る
  • AES:共通鍵暗号方式のブロック暗号の代表的な方式の一つ

(テーマ・覚えること)

想定問題 4科目A(四択)

AES の説明として、最も適切なものはどれか。

正解:ア 共通鍵暗号方式の一つで、データを一定の長さのブロックに区切って暗号化する。

ポイント

AES の分類を、ほかの暗号方式と取りちがえずに選ぶ問題です。

考え方と解き方

AES は、共通鍵暗号方式の中のブロック暗号の代表的な方式です。選択肢の4つの説明を、それぞれどの方式の説明かで切り分けます。

  1. AES は、暗号化と復号で同じ鍵を使う共通鍵暗号方式で、データをブロックに区切って暗号化します。
  2. したがって、最も適切なのは ア です。

ほかの選択肢

  • イ 素因数分解の困難さを根拠とする公開鍵暗号方式は、RSA 暗号の説明です。
  • ウ 暗号化と復号で異なる鍵を使い、片方の鍵を公開する説明は、公開鍵暗号方式の説明です。
  • エ 共通鍵を公開鍵で暗号化して送る方式は、ハイブリッド暗号の説明です。

覚えておくこと

  • ブロック暗号:データを一定の長さのブロックに区切って暗号化する方式
  • AES:共通鍵暗号方式のブロック暗号の代表的な方式の一つ
  • RSA 暗号:公開鍵暗号方式の代表的な方式。大きな合成数の素因数分解の困難さが根拠

(テーマ・覚えること)

1問ずつの画面で解く(4問)

このテーマの過去問

過去問を解く(3問)
前のテーマ次のテーマ:ハッシュ関数とデジタル署名(改ざん検知)

同じ分野のテーマ(セキュリティ)