分野 E|セキュリティ・倫理

ウイルス作成罪・サイバーセキュリティ基本法・特定電子メール法

今の制度の過去問(3回分)では、サイバーセキュリティ基本法が2問、特定電子メール法が1問、合わせて3問出ています。

シラバス案 Ver.0.1(2026年8月31日公表)の『7-30-2 その他のセキュリティ関連法規』

最終更新

よく出る形

  • サイバーセキュリティ基本法の立法趣旨(目的)や法律名を選ぶ(3回分で2問)
  • 特定電子メール法(広告メールの規制法)の規制対象となる送信の例を選ぶ(3回分で1問)
  • 問われるとしたら:ウイルス作成罪(不正なプログラムを作る罪)に問われる行為を選ぶ形
  • 問われるとしたら:サイバー対処能力強化法(攻撃への対処を強める法律)の内容を選ぶ形

覚えること

  • サイバーセキュリティ基本法:防御施策の基本理念と、国・地方公共団体の責務を定めた法律
  • サイバーセキュリティ基本法:戦略の策定などを定め、サイバーセキュリティ戦略本部を設置する
  • 区別:不正アクセスの禁止と罰則は不正アクセス禁止法で、基本法は施策の土台を定める法律
  • ウイルス作成罪:刑法の不正指令電磁的記録に関する罪の通称
  • ウイルス作成罪の対象:正当な理由なく、他人のコンピュータで動かす目的で、作る・渡す・動かす行為
  • ウイルス作成罪:同じ目的で、ウイルスを取得・保管する行為も処罰の対象
  • 特定電子メール法:電子メールによる一方的な広告宣伝メールの送信を規制する法律
  • 特定電子メール法の原則:あらかじめ送信に同意した人にだけ、広告宣伝メールを送れる(オプトイン)
  • オプトインの例外:アドレスを書面で通知した人、取引関係にある人、アドレスを公表している団体・営業を営む個人
  • 送信者の義務:氏名・名称と受信拒否の連絡先をメールに表示し、同意を得たことの記録を保存する
  • 受信拒否の通知をした人には、原則として、その後の送信が禁止される
  • 事務連絡や料金請求など、広告宣伝を含まないメールは、特定電子メールに当たらない
  • サイバー対処能力強化法:重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止を目的とする法律
  • サイバー対処能力強化法の内容:官民連携の強化、通信情報の利用、アクセス・無害化措置など
  • 基幹インフラ事業者:社会の基盤を担う事業者(法では特別社会基盤事業者)
  • 基幹インフラ事業者は、特定重要電子計算機(重要設備用)の被害を認知したら報告する
  • 報告先:事業所管大臣と内閣総理大臣(任意ではなく、報告しなければならない)

ひっかけ

  • 広告宣伝メールは、拒否の通知があるまで自由に送れるのではなく、同意が先
  • アドレスを公表していても、広告宣伝メールの拒否を表示していれば、例外に当たらない
  • ウイルスは、他人のコンピュータに感染させなくても、作る・渡す時点で処罰の対象になり得る
  • 不正アクセスの禁止と罰則を定めるのは、サイバーセキュリティ基本法ではない

想定問題

4問(四肢択一)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四肢択一

A 社が行う対応として、最も適切なものはどれか。

A 社は、通信販売サイトの会員のうち、広告メールの受信に同意した会員に、新商品の広告メールを送る。A 社は、特定電子メール法に沿って、メールを送るときに何をするかを検討している。

正解:ウ メールに送信者の名称と受信拒否の連絡先を表示し、会員が同意したことを示す記録も保存する。

ポイント

同意を得た会員に広告メールを送るときに、特定電子メール法で必要な対応を問う問題です。

考え方と解き方

同意を得た相手なら、あとは自由に送ってよいと考えると、表示か記録のどちらかを外した選択肢を選びます。

  1. 広告メールには、送信者の氏名・名称と、受信拒否の連絡先を表示します。
  2. また、送信に同意を得たことを示す記録を保存します。
  3. したがって、最も適切なのは ウ です。

ほかの選択肢

  • ア 同意を得ていても、名称と受信拒否の連絡先の表示は要ります。同意の記録を保存する点は適切です。
  • イ 名称と受信拒否の連絡先の表示が要り、同意を得たことを示す記録も保存します。どちらも行わない対応は不適切です。
  • エ 名称と受信拒否の連絡先を表示する点は適切ですが、同意を得たことを示す記録も保存する必要があります。

覚えておくこと

  • 送信者の義務:氏名・名称と受信拒否の連絡先をメールに表示し、同意を得たことの記録を保存する
  • 特定電子メール法の原則:あらかじめ送信に同意した人にだけ、広告宣伝メールを送れる(オプトイン)

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四肢択一

刑法の不正指令電磁的記録に関する罪(ウイルス作成罪)に問われるおそれが最も高い行為はどれか。

正解:ア 他人のコンピュータで動かす目的で、保存したデータを破壊するプログラムを、正当な理由なく作成した。

ポイント

ウイルス作成罪に問われるおそれのある行為を、事例から選ぶ問題です。

考え方と解き方

感染を広げたという結果だけを見て、イを選ぶ間違いが起きます。この罪では、プログラムを作る・渡す行為と、他人のコンピュータで動かす目的があるかが決め手です。

  1. 問われるのは、正当な理由がないのに、他人のコンピュータで動かす目的で、意図に反する動作をさせる不正な指令のプログラムを、作成または提供する行為です。
  2. ア は、他人のコンピュータで動かす目的で、データを破壊するプログラムを、正当な理由なく作成しているので、これに当たります。
  3. したがって、問われるおそれが最も高い行為に該当するのは ア です。

ほかの選択肢

  • イ 気づかずに感染して広げただけで、プログラムを作成または提供する行為も、他人のコンピュータで動かす目的もありません。
  • ウ 外部と切り離した自分の環境で、検査用の見本を動かしているだけで、他人のコンピュータで動かす目的はありません。
  • エ 利用者の了解を得て、利用者の意図どおりに動作するプログラムなので、意図に反する動作をさせる不正な指令ではありません。

覚えておくこと

  • ウイルス作成罪:刑法の不正指令電磁的記録に関する罪の通称
  • ウイルス作成罪の対象:正当な理由なく、他人のコンピュータで動かす目的で、作る・渡す・動かす行為

(テーマ・覚えること)

想定問題 3四肢択一

サイバー対処能力強化法に定められた、基幹インフラ事業者の報告に関する記述として、最も適切なものはどれか。

基幹インフラ事業者(社会の基盤を担う事業者。法では特別社会基盤事業者)が使う、被害を受けると重要な設備の機能が止まるおそれのある電子計算機を、特定重要電子計算機という。

正解:エ 特定重要電子計算機のサイバーセキュリティが害されたことを認知したときは、事業所管大臣と内閣総理大臣に、報告しなければならない。

ポイント

サイバー対処能力強化法で、基幹インフラ事業者が被害を報告する義務と、その報告先を問う問題です。

考え方と解き方

この法律は、社会の基盤を担う事業者から政府へ情報が集まるように、報告を義務にしています。報告先と義務かどうかの二つが決め手なので、片方だけが合う選択肢を選ぶ間違いが起きます。

  1. 基幹インフラ事業者は、特定重要電子計算機のサイバーセキュリティが害されたこと、またはその原因となり得る一定の事象を認知したときは、報告しなければなりません。
  2. 報告先は、事業所管大臣と内閣総理大臣です。
  3. したがって、最も適切なのは エ です。

ほかの選択肢

  • ア 報告は任意ではなく、義務です。報告先も、サイバー通信情報監理委員会ではなく、事業所管大臣と内閣総理大臣です。
  • イ 報告が義務である点は適切ですが、報告先は、サイバー通信情報監理委員会ではなく、事業所管大臣と内閣総理大臣です。
  • ウ 報告先は適切ですが、報告は任意ではなく、義務です。

覚えておくこと

  • 基幹インフラ事業者は、特定重要電子計算機(重要設備用)の被害を認知したら報告する
  • 報告先:事業所管大臣と内閣総理大臣(任意ではなく、報告しなければならない)

(テーマ・覚えること)

想定問題 4四肢択一

セキュリティに関する法律の内容として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

A さんは、セキュリティに関する法律の内容を調べている。
  • a サイバーセキュリティ基本法は、サイバーセキュリティ戦略本部を設置することを定めている。
  • b 特定電子メール法では、書面でメールアドレスを通知してきた相手には、同意がなくても、広告宣伝メールを送れる場合がある。
  • c 刑法の不正指令電磁的記録に関する罪は、他人の ID とパスワードを無断で使い、メールを閲覧する行為を処罰するものである。

正解:ア a、b

ポイント

セキュリティ関連の法律の内容を、a〜c で判定する問題です。

考え方と解き方

法律ごとに、何を定めているかが違います。他人の ID とパスワードを無断で使う行為は不正アクセス禁止法の対象で、刑法のウイルス作成罪の対象ではありません。法律名の印象で混ぜると、c を適切としてしまいます。

  1. a は適切です。サイバーセキュリティ基本法は、サイバーセキュリティ戦略本部の設置を定めています。
  2. b は適切です。特定電子メール法には、メールアドレスを書面で通知した相手に、同意がなくても送れる例外があります。
  3. c は不適切です。他人の ID とパスワードを無断で使う行為は、不正アクセス禁止法の対象で、ウイルス作成罪の対象ではありません。
  4. したがって、適切なのは a、b で、ア です。

ほかの選択肢

  • イ c は不適切なので、入れすぎです。
  • ウ a も適切なのに入っておらず、不適切な c が入っています。
  • エ a、b が適切なのに入っておらず、不適切な c だけになっています。

覚えておくこと

  • サイバーセキュリティ基本法:戦略の策定などを定め、サイバーセキュリティ戦略本部を設置する
  • オプトインの例外:アドレスを書面で通知した人、取引関係にある人、アドレスを公表している団体・営業を営む個人
  • ウイルス作成罪の対象:正当な理由なく、他人のコンピュータで動かす目的で、作る・渡す・動かす行為

(テーマ・覚えること)

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