分野 S|セキュリティ 重点分野

通信の保護規格(TLS・IPsec・WPA3・SPF/DKIM)

今の制度の過去問(6回分)では、TLS のサーバー証明書や HTTPS、SPF、SMTP-AUTH を選ぶ問題が 5 問出ています。

シラバス案 Ver.0.1(2026年9月30日公表)の『6 技術的管理策に関する技術・手法(情報システムの適正利用の管理)/ネットワークセキュリティの技術規格・プロトコル』

最終更新

問われ方

  • TLS・HTTPS で実現できることや、サーバー証明書の検証を選ぶ形
  • SPF の仕組みや目的、SMTP-AUTH を選ぶ形
  • 問われるとしたら:無線 LAN の規格と認証の使い分けを選ぶ形
  • 問われるとしたら:OP25B と送信ドメイン認証の役割を選ぶ形

覚えること

  • TLS:通信を暗号化し、サーバー証明書で接続先のサーバーを確認する
  • サーバー証明書は、認証局の公開鍵で署名を検証して正当性を確かめる
  • HTTPS で確かめられるのはサーバーの正当性。端末のウイルスや侵入は防げない
  • IPsec:IP 層で通信を暗号化・認証する。拠点間や在宅の VPN に使う
  • RADIUS:認証サーバーの方式。アクセスポイントや VPN 装置が認証を依頼する
  • WPA3:無線 LAN のセキュリティ方式(暗号化・認証)。WPA2 の後継
  • 利用者ごとの認証をしたい時は、認証サーバー(RADIUS)に任せる方式を使う
  • SMTP-AUTH:メールの送信時に、メールサーバーが送信者を認証する
  • OP25B:ISP が、動的 IP の利用者回線から ISP の外への 25 番ポートの通信を止める
  • SPF:送信側が DNS に登録した正規サーバーの IP か、受信側が確かめる
  • DKIM:送信側がメールに電子署名し、受信側が DNS の公開鍵で検証する
  • SPF も DKIM も、自社ドメインのなりすましを受信側が見分けるための設定

ひっかけ

  • SPF(IP アドレスの確認)と DKIM(署名の検証)の取りちがえ
  • SMTP-AUTH(送信者の認証)と OP25B(ISP の制限)の取りちがえ

想定問題

4問(科目A(四択))。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1科目A(四択)

B さんが行う対策として、最も適切なものはどれか。

A 社の情報システム部の B さんは、取引先から『A 社を名のる偽のメールが届いた』と連絡を受けた。B さんは、A 社のドメインを使ったなりすましメールを、取引先の側で見分けられるようにしたい。A 社のメールサーバーは、自社の拠点から社外へ送信している。

正解:ウ 正規のメールサーバーの IP アドレスを DNS に登録し、送信メールに電子署名を付ける

ポイント

自社ドメインのなりすましを、受信側で見分けられる設定を選ぶ問題です。

考え方と解き方

見分けるのは取引先、つまり受信側です。受信側が確かめられる情報を、送信側が先に公開しておく必要があります。管理者の立場では、送信側の認証と受信側の確認を取りちがえないようにします。

  1. 受信側が確かめられるようにするには、送信側のドメインの DNS に正規の送信元の IP アドレスを登録します(SPF)。
  2. あわせて送信メールに電子署名を付け、受信側が DNS の公開鍵で検証できるようにします(DKIM)。したがって、最も適切なのは ウ です。

ほかの選択肢

  • ア SMTP-AUTH は、自社の利用者が自社のメールサーバーを使う時の認証です。取引先がなりすましを見分ける材料にはなりません。
  • イ 取引先から届くメールの検査は、自社が受信する側の対策です。自社を名のる偽のメールを取引先が見分ける対策ではありません。
  • エ OP25B は、ISP が動的 IP の利用者回線から ISP の外への 25 番ポートの通信を止める仕組みです。自社ドメインのなりすましの確認には使えません。

覚えておくこと

  • SPF:送信側が DNS に登録した正規サーバーの IP か、受信側が確かめる
  • DKIM:送信側がメールに電子署名し、受信側が DNS の公開鍵で検証する
  • SPF も DKIM も、自社ドメインのなりすましを受信側が見分けるための設定

(テーマ・覚えること)

想定問題 2科目A(四択)

C さんが返す意見として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

A 社の情報システム部の C さんは、部門から出た通信の保護に関する要望に対し、次の a〜c の意見を返すことにした。
  • a 在宅勤務者が社内のファイルサーバーを使う通信は、IPsec を使った VPN で保護する。
  • b 取引先向けの受注サイトは、HTTPS にして、サーバー証明書で接続先を確かめられるようにする。
  • c 受注サイトを HTTPS にすれば、利用者の PC がマルウェアに感染することも防げると説明する。

正解:ア a、b

ポイント

通信を保護する方式の使いどころと限界を、部門への意見から問う問題です。

考え方と解き方

規格は、守る範囲で区別します。IPsec は IP 層の VPN、TLS(HTTPS)は通信路とサーバーの確認です。守れないことまで説明するのも、管理者の仕事です。この立場なら、要望が規格の守る範囲に入るかを先に考えます。

  1. a は適切です。IPsec は IP 層で通信を保護し、在宅勤務者の VPN に使えます。b は適切です。HTTPS はサーバー証明書で接続先を確かめられます。c は不適切です。HTTPS で守るのは通信路とサーバーの確認で、利用者の PC の感染は防げません。
  2. したがって、適切なのは a、b の全てで、ア です。

ほかの選択肢

  • イ c は不適切なので含められません。また、b も適切なので、a、c では組合せが合いません。
  • ウ c は不適切なので含められません。また、a も適切なので、b、c では組合せが合いません。
  • エ b も適切なので、a だけでは足りません。

覚えておくこと

  • IPsec:IP 層で通信を暗号化・認証する。拠点間や在宅の VPN に使う
  • TLS:通信を暗号化し、サーバー証明書で接続先のサーバーを確認する
  • HTTPS で確かめられるのはサーバーの正当性。端末のウイルスや侵入は防げない

(テーマ・覚えること)

想定問題 3科目A(四択)

C さんが採用する方式として、最も適切なものはどれか。

A 社の情報システム部の C さんは、社内の無線 LAN で全従業員が同じパスフレーズを共有している点を見直す。要件は、退職した従業員の接続を、その人の分だけ止められること、だれが接続したかを利用者単位で記録できること、無線区間の暗号化を最新の方式にすること、の 3 つである。

正解:エ WPA3 に切り替え、利用者ごとの認証を認証サーバー(RADIUS)に任せる方式にする

ポイント

無線 LAN の暗号化規格と、利用者ごとの認証の組合せを選ぶ問題です。

考え方と解き方

要件は 3 つあり、1 つでも欠ける案は外れます。暗号化の規格だけを新しくしても、共通のパスフレーズでは人ごとの管理ができません。管理者の立場なら、要件を 1 つずつ満たすか確かめます。

  1. 利用者単位で接続を止め、記録するには、利用者ごとに認証する仕組みが要ります。認証サーバー(RADIUS)に認証を任せる方式なら、接続の停止と記録の要件を満たせます。
  2. 暗号化は WPA3 にすれば、方式の要件も満たします。したがって、最も適切なのは エ です。

ほかの選択肢

  • ア パスフレーズを分けて変更しても、使う人は共通のままで、利用者単位の停止や記録にはなりません。
  • イ MAC アドレスの登録は端末の単位で、利用者の単位ではありません。共通のパスフレーズのままでは、接続の停止と記録の要件を満たせません。
  • ウ WPA3 で暗号化は強くなりますが、共通のパスフレーズのままでは、接続の停止と記録の要件を満たせません。

覚えておくこと

  • WPA3:無線 LAN のセキュリティ方式(暗号化・認証)。WPA2 の後継
  • 利用者ごとの認証をしたい時は、認証サーバー(RADIUS)に任せる方式を使う
  • RADIUS:認証サーバーの方式。アクセスポイントや VPN 装置が認証を依頼する

(テーマ・覚えること)

想定問題 4科目A(四択)

OP25B の説明として、最も適切なものはどれか。

正解:イ ISP が、動的 IP の利用者回線から ISP の外へ向かう 25 番ポートの通信を止める仕組み

ポイント

メールの対策の仕組みを、取りちがえずに選ぶ問題です。

考え方と解き方

メールの対策は、だれが何をするかで区別します。ISP が行うのか、受信側が確かめるのか、送信側が署名するのか、メールサーバーが利用者を確認するのかです。

  1. OP25B は、ISP が動的 IP の利用者回線から ISP の外へ向かう 25 番ポートの通信を止める仕組みです。迷惑メールを大量に送る機器の通信を、ISP の側で抑えます。
  2. 他の説明は、別の仕組みの説明です。したがって、最も適切なのは イ です。

ほかの選択肢

  • ア 受信側が送信元 IP アドレスを DNS の登録と照らし合わせるのは、SPF の説明です。
  • ウ 電子署名を付けて受信側が公開鍵で検証するのは、DKIM の説明です。
  • エ メールサーバーが送信する利用者を確認するのは、SMTP-AUTH の説明です。

覚えておくこと

  • OP25B:ISP が、動的 IP の利用者回線から ISP の外への 25 番ポートの通信を止める
  • SMTP-AUTH:メールの送信時に、メールサーバーが送信者を認証する
  • SPF:送信側が DNS に登録した正規サーバーの IP か、受信側が確かめる

(テーマ・覚えること)

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