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会社と役員間・会社間の取引の税務
過去の公開問題では、会社と役員間の取引に関する最も不適切な記述を選ぶ問題が、5回分で4問出ています。
最終更新
よく出る形
- 会社と役員間の取引の4つの記述から、最も不適切なものを選ぶ(5回分で4問)
- 会社が役員からの借入金の債務免除を受ける記述は、4問すべての選択肢にある
- 社宅、無利息の貸付け、時価と違う価額での売買の記述は、それぞれ3問の選択肢にある
覚えること
- 基本:会社と役員の取引は、会社側(法人税)と役員側(所得税)に分けて見る
- 役員が会社から受ける経済的利益は、役員の給与として扱われる(雑所得・一時所得ではない)
- 経済的利益の例:資産の無償贈与・低額譲渡・高額買入れ、債権の免除、債務の無償引受け、個人的費用の負担
- 社宅:役員が会社の社宅に無償で居住 → 賃貸料相当額が役員の給与所得の収入金額(低い家賃なら差額)
- 低額譲受け:役員が会社から時価より低い価額で譲り受け → 時価との差額が役員の給与所得の収入金額
- 無利息借入れ:役員が会社から借りると、通常の利率の利息と実際の利息の差額が給与として課税される(例外あり)
- 会社側の損金:役員への経済的利益は、毎月おおむね一定の継続的なものは定期同額給与で損金算入、ほかは原則損金不算入
- 無利息貸付け:会社が役員に貸すと、通常収受すべき利息に相当する金額を会社の益金に算入する
- 債務免除:会社が役員からの借入金の債務免除を受けた金額は、会社の益金に算入する
- 会社が役員から無償・低額で譲り受け → 時価(低額なら時価との差額)を益金に算入。時価の一部ではない
- 役員が会社に無利息で貸しても、役員に利息相当額の収入は生じない(雑所得にならない)
- 会社が時価より高い価額で役員に譲渡 → 会社は時価で譲渡したものとされ、時価を超える差額は受贈益として益金
- 役員退職給与:不相当に高額な部分などを除き損金算入(くわしくは益金・損金と減価償却のテーマ)
- 会社間の取引:資産を時価より低い価額で譲渡すると、差額のうち実質的に贈与と認められる金額は寄附金になる
- 寄附金:一般の寄附金は損金算入に限度額がある。国等への寄附金と指定寄附金は全額損金算入
- 寄附金:法人による完全支配関係にある内国法人への寄附金は全額損金不算入。役員給与は寄附金から除く
数字と計算
- 例:時価1,000万円の土地を役員が会社から700万円で譲り受けると、差額300万円が役員の給与所得の収入金額になる
ひっかけ
- 役員が受ける利益は給与所得、会社が受ける利益は益金。受ける側と与える側を取りちがえない
想定問題
4問(四答択一式)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。
会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解:3 会社が役員の所有する土地を適正な時価よりも低い価額で譲り受けた場合、適正な時価と譲受価額との差額相当額が、その会社の所得金額の計算上、損金の額に算入される。
ポイント
会社と役員間の取引で、会社の益金・損金と役員の経済的利益の扱いから、最も不適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
譲り受けた側の会社には、得をした分が収益として入ります。益金と損金を取りちがえると、適切な記述が不適切に見えます。
- 会社が役員から時価より低い価額で資産を譲り受けた場合、時価と譲受価額の差額は、無償による資産の譲受けにあたる部分として、会社の益金の額に算入されます。
- 3)は、差額を損金の額に算入するとしているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 3 です。正しくは、適正な時価と譲受価額との差額相当額が、その会社の所得金額の計算上、益金の額に算入される、です。
ほかの選択肢
- 1 社宅を低い家賃で借りた場合も、賃貸料相当額と実際の家賃の差額が経済的利益になり、給与として課税されます。適切です。
- 2 資産の無償贈与は、役員に与える経済的利益の例で、その資産の時価が利益の額になります。適切です。
- 4 債権の免除も、役員に与える経済的利益の例で、免除した金額が利益の額になります。適切です。
覚えておくこと
- 会社が役員から無償・低額で譲り受け → 時価(低額なら時価との差額)を益金に算入。時価の一部ではない
- 社宅:役員が会社の社宅に無償で居住 → 賃貸料相当額が役員の給与所得の収入金額(低い家賃なら差額)
- 経済的利益の例:資産の無償贈与・低額譲渡・高額買入れ、債権の免除、債務の無償引受け、個人的費用の負担
(テーマ・覚えること)
会社間の取引と寄附金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解:3 法人が資産を時価より低い価額で他の法人に譲渡した場合、時価との差額のうち実質的に贈与したと認められる金額は、寄附金の額に含まれる。
ポイント
会社間の低額譲渡と、寄附金の区分ごとの損金の扱いを問う問題です。
考え方と解き方
寄附金は、金銭を渡した場合だけでなく、時価より低い価額での譲渡でも生じます。寄附金の種類ごとに損金の扱いが違うので、種類を取りちがえると誤りになります。
- 寄附金は、名称を問わず、金銭・資産・経済的利益の無償の贈与や供与です。資産を時価より低い価額で譲渡した場合、時価との差額のうち実質的に贈与したと認められる金額は、寄附金の額に含まれます。
- 一般の寄附金は損金算入に限度額があり、国等への寄附金と指定寄附金は全額が損金に算入されます。完全支配関係にある内国法人への寄附金は、全額が損金に算入されません。3)は、低額譲渡の差額を寄附金とするので、適切です。したがって、最も適切なのは 3 です。
ほかの選択肢
- 1 一般の寄附金を全額損金としている所が違います。正しくは、損金算入に限度額があり、超えた部分は損金に算入されません。
- 2 国等に対する寄附金を一般と同じ限度額の範囲としている所が違います。正しくは、全額が損金に算入されます。
- 4 完全支配関係にある他の内国法人への寄附金を、限度額の範囲で損金算入としている所が違います。正しくは、全額が損金に算入されません。
覚えておくこと
- 会社間の取引:資産を時価より低い価額で譲渡すると、差額のうち実質的に贈与と認められる金額は寄附金になる
- 寄附金:一般の寄附金は損金算入に限度額がある。国等への寄附金と指定寄附金は全額損金算入
- 寄附金:法人による完全支配関係にある内国法人への寄附金は全額損金不算入。役員給与は寄附金から除く
(テーマ・覚えること)
会社と役員間の取引に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
正解:4 (ア)経済的利益、(イ)算入されない、(ウ)給与所得
ポイント
役員に時価より低い価額で資産を譲渡したときの、会社と役員の扱いを問う問題です。
考え方と解き方
(ア)は役員に与える利益の呼び名、(イ)は会社の損金の扱い、(ウ)は役員の所得の区分です。3つを別々の見方で確かめます。
- 会社が役員に時価より低い価額で資産を譲渡したときの差額は、役員に与える経済的利益です。これが(ア)です。寄附金ではなく、役員給与の扱いになります。
- この利益が毎月おおむね一定の継続的なものでなければ、定期同額給与に当たらず、会社の損金の額に算入されません。これが(イ)です。役員の側では、給与所得の収入金額になります。これが(ウ)です。したがって、最も適切なのは 4 (ア)経済的利益、(イ)算入されない、(ウ)給与所得 です。
ほかの選択肢
- 1 (ア)が違います。役員への給与は寄附金から除かれ、役員に対する経済的利益として扱われます。(イ)(ウ)は合っています。
- 2 (イ)が違います。毎月おおむね一定の継続的な利益でなければ定期同額給与に当たらず、損金に算入されません。(ア)(ウ)は合っています。
- 3 (ウ)が違います。役員が会社から受ける経済的利益は、雑所得ではなく、給与所得の収入金額になります。(ア)(イ)は合っています。
覚えておくこと
- 低額譲受け:役員が会社から時価より低い価額で譲り受け → 時価との差額が役員の給与所得の収入金額
- 会社側の損金:役員への経済的利益は、毎月おおむね一定の継続的なものは定期同額給与で損金算入、ほかは原則損金不算入
- 寄附金:法人による完全支配関係にある内国法人への寄附金は全額損金不算入。役員給与は寄附金から除く
(テーマ・覚えること)
役員に対する経済的利益に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解:1 役員が会社から無利息で金銭を借り入れた場合、原則として、通常の利率で計算した利息の額と実際の利息の額との差額が、その役員の雑所得の収入金額に算入される。
ポイント
役員に対する経済的利益の種類と、無利息で借りた役員の所得の区分から、最も不適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
借りた役員が受ける利益は、利息を払わずに済んだ分の利益です。この利益の所得の区分を、給与以外と思いこむと取りちがえます。
- 役員が会社から無利息で金銭を借り入れた場合、通常の利率で計算した利息の額と実際の利息の額との差額が、経済的利益になります。この利益は給与として課税されます。
- 1)は、雑所得の収入金額に算入するとしているので、不適切です。したがって、最も不適切なのは 1 です。正しくは、その差額が、その役員の給与として課税される、です。
ほかの選択肢
- 2 債務の無償引受けは、役員に与える経済的利益の例です。引き受けた債務の額が利益の額になるので、適切です。
- 3 役員の個人的な費用を会社が負担した額は、役員に与える経済的利益の例なので、適切です。
- 4 資産の高額買入れは、役員に与える経済的利益の例です。時価と買入価額の差額が利益の額になるので、適切です。
覚えておくこと
- 無利息借入れ:役員が会社から借りると、通常の利率の利息と実際の利息の差額が給与として課税される(例外あり)
- 経済的利益の例:資産の無償贈与・低額譲渡・高額買入れ、債権の免除、債務の無償引受け、個人的費用の負担
(テーマ・覚えること)
このテーマの公開問題
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- 2024年9月 第39問会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関す…四答択一式
- 2025年1月 第39問会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関す…四答択一式・まずこの1問
- 2026年5月 第38問会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関す…四答択一式
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