分野 B|ビジネス

AI社会原則とAI事業者ガイドライン

今の制度の過去問(3回分)では、人間中心の AI 社会原則のイノベーションの原則を選ぶ形と、AI で使うデータのバイアス対策を選ぶ形が、合わせて2問出ています。

シラバス案 Ver.0.1(2026年8月31日公表)の『2-10-1 人間中心のAI社会原則』

最終更新

よく出る形

  • イノベーションの原則の記述を選ぶ(3回分で1問)
  • AI で使うデータのバイアス対策を、a〜d の組合せで選ぶ(3回分で1問)
  • 問われるとしたら:事例で、AI 事業者ガイドラインの主体を選ぶ形
  • 問われるとしたら:七つの原則に関する不適切な記述を選ぶ形
  • 問われるとしたら:AI 事業者ガイドラインの a〜c の組合せの形
  • 問われるとしたら:事例で、AI の学習データなどの偏りへの配慮を選ぶ形

覚えること

  • 人間中心の AI 社会原則:2019年(平成31年)3月に、統合イノベーション戦略推進会議が決定した
  • 七つの原則:人間中心、教育・リテラシー、プライバシー確保、セキュリティ確保
  • 七つの原則(続き):公正競争確保、公平性、説明責任及び透明性、イノベーション
  • 人間中心の原則:AI は人の能力を拡張するために使い、基本的人権を侵してはならない
  • 公平性、説明責任及び透明性の原則:不当な差別を受けないよう公平を保ち、AI の利用などを利用者に説明する
  • イノベーションの原則:国際化と多様化を進め、官民の連携と柔軟な人材の移動を促す
  • AI-ready な社会:Society 5.0 の実現に必要な、社会の変革
  • AI 事業者ガイドライン:総務省と経済産業省が公表。AI 開発者、AI 提供者、AI 利用者が対象
  • AI 事業者ガイドラインは、人間中心の AI 社会原則を基礎にしている
  • AI 開発者はモデルを作り、AI 提供者はシステムに組み込んで提供し、AI 利用者は事業で使う
  • 他社が開発したモデルを組み込んでサービスを提供する事業者は、AI 提供者に当たる
  • 共通の指針(10項目):人間中心、安全性、公平性、プライバシー保護、セキュリティ確保
  • 共通の指針(続き):透明性、アカウンタビリティ、教育・リテラシー、公正競争確保、イノベーション
  • 公平性の指針:AI に単独で判断させるだけでなく、適切なタイミングで人の判断を介在させる利用を検討する
  • アカウンタビリティの指針:責任者の明示や、関係者間の責任の分配などを行う
  • データのバイアスと品質:学習の目的への適合、入手元と作成来歴、アノテーションの付与目的を確かめる
  • 公平性とバイアス:学習に使うデータや評価の項目に含まれる偏りに配慮する
  • 参考:今のシラバス(Ver.6.5)の用語例には AI 利活用ガイドラインがあり、AI 事業者ガイドラインはない

ひっかけ

  • 七つの原則に「安全性」はない。安全性は共通の指針にある
  • 七つの原則では、公平性と説明責任と透明性が一つの原則
  • AI 事業者ガイドラインは、AI を作る側だけでなく、使う側も対象

想定問題

4問(四肢択一)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四肢択一

AI 事業者ガイドラインで用いる立場の区分のうち、A 社に該当するものはどれか。

A 社は、他社が開発した AI モデルを組み込んで、文書の要約サービスを作った。このサービスを、A 社の取引先の企業に提供している。

正解:ウ AI 提供者

ポイント

AI 事業者ガイドラインの立場の区分のうち、サービスを提供する側を選ぶ事例の問題です。

考え方と解き方

モデルを作る会社だけが AI の事業者だと考えると、作る側の AI 開発者を選んでしまいます。他社のモデルを使っていても、サービスにして提供すれば、提供する側です。

  1. AI 事業者ガイドラインでは、AI モデルを既存または新設のシステムに組み込み、AI システムやサービスとして利用者に提供する主体が、AI 提供者です。
  2. A 社は、他社のモデルを組み込んだ要約サービスを、取引先に提供しているので、AI 提供者に当たります。
  3. したがって、該当するのは ウ です。

ほかの選択肢

  • ア AI 開発者は、AI モデルを構築する主体です。A 社は他社が開発したモデルを使っていて、モデルを作っていません。
  • イ AI 利用者は、提供された AI システムやサービスを事業で使う主体です。A 社は取引先に提供する側で、取引先が利用者に当たります。
  • エ 業務外利用者は、事業では使わず、AI の出力などの影響を受ける消費者や応募者などです。A 社は事業としてサービスを提供しています。

覚えておくこと

  • AI 開発者はモデルを作り、AI 提供者はシステムに組み込んで提供し、AI 利用者は事業で使う
  • 他社が開発したモデルを組み込んでサービスを提供する事業者は、AI 提供者に当たる

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四肢択一

人間中心の AI 社会原則の七つの原則に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

正解:エ 安全性の原則が、七つの原則の一つとして定められている。

ポイント

七つの原則の名前を、AI 事業者ガイドラインの共通の指針と区別して判定する問題です。

考え方と解き方

AI 事業者ガイドラインの共通の指針には安全性があるので、七つの原則にもあると思いこむと、エを適切と読んで見落とします。

  1. 七つの原則は、人間中心、教育・リテラシー、プライバシー確保、セキュリティ確保、公正競争確保、公平性、説明責任及び透明性、イノベーションです。
  2. 安全性の原則は、この七つに含まれません。
  3. 最も不適切なのは エ です。正しくは、七つの原則に安全性の原則はなく、セキュリティ確保の原則があります。

ほかの選択肢

  • ア 適切です。七つの原則の一つです。格差や弱者を生まないよう、全ての人にリテラシー教育や学び直しの機会を提供することを求める原則です。
  • イ 適切です。公正競争確保の原則は、七つの原則の一つです。
  • ウ 適切です。プライバシー確保の原則は、七つの原則の一つです。

覚えておくこと

  • 七つの原則:人間中心、教育・リテラシー、プライバシー確保、セキュリティ確保
  • 七つの原則(続き):公正競争確保、公平性、説明責任及び透明性、イノベーション

(テーマ・覚えること)

想定問題 3四肢択一

適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

A 社の担当者が、AI 事業者ガイドラインの内容を整理した。整理した内容は、a〜c のとおりである。
  • a 人間中心の AI 社会原則を基礎にしていて、AI 開発者、AI 提供者、AI 利用者を対象にしている。
  • b 共通の指針には、透明性やアカウンタビリティのほか、教育・リテラシーやイノベーションなどが含まれる。
  • c AI に問題が生じたときの責任は、AI 開発者だけが負うと定められ、責任を分ける考え方はない。

正解:ア a、b

ポイント

AI 事業者ガイドラインの位置づけ、対象、共通の指針を、a〜c で判定する問題です。

考え方と解き方

ガイドラインは、AI を作る側だけでなく、提供する側と使う側も対象にしています。責任を作る側一者に集めて読むと、c を適切にしてしまいます。

  1. a は適切です。AI 事業者ガイドラインは、人間中心の AI 社会原則を基礎にして、AI 開発者、AI 提供者、AI 利用者を対象にしています。
  2. b は適切です。共通の指針は10項目あり、透明性、アカウンタビリティ、教育・リテラシー、イノベーションなどが含まれます。
  3. c は不適切です。アカウンタビリティの指針には、責任者の明示や、関係者間の責任の分配が含まれます。
  4. したがって、適切なのは a、b で、ア です。

ほかの選択肢

  • イ c も適切としていますが、責任を AI 開発者だけが負うという定めはないので、c は不適切です。
  • ウ a が適切なのに入っておらず、不適切な c が入っています。
  • エ a、b が適切なのに入っておらず、不適切な c だけになっています。

覚えておくこと

  • AI 事業者ガイドラインは、人間中心の AI 社会原則を基礎にしている
  • 共通の指針(10項目):人間中心、安全性、公平性、プライバシー保護、セキュリティ確保
  • アカウンタビリティの指針:責任者の明示や、関係者間の責任の分配などを行う

(テーマ・覚えること)

想定問題 4四肢択一

A 社の対応として、最も適切なものはどれか。

A 社は、採用の応募書類の一次選考に AI を使うことにした。AI の学習には、過去の選考のデータを使う。A 社は、AI の評価が特定の属性の応募者に不利にならないよう、公平性を保つ対応を検討している。

正解:イ 学習に使うデータや、評価に使う項目に、性別などによる偏りがないかを確かめる。

ポイント

AI の公平性のために、学習に使うデータや評価の項目に含まれるバイアスへ配慮する事例の問題です。

考え方と解き方

データの偏りは、AI の評価にそのまま引き継がれます。項目を消すだけで安心すると、残った偏りを見落とします。

  1. AI 事業者ガイドラインの公平性の指針は、AI の学習に使うデータなどに含まれるバイアスへの配慮を求めています。
  2. この事例では、学習に使うデータと、評価に使う項目に、性別などによる偏りがないかを確かめます。
  3. したがって、最も適切なのは イ です。

ほかの選択肢

  • ア 結果が出たあとに人数を数えるだけでは、学習に使ったデータの偏りに気づけません。
  • ウ 氏名と性別の項目を消しても、ほかの項目やデータの構成に偏りが残るおそれがあります。確認を省く理由になりません。
  • エ 合格した人の割合が高い属性を項目に加えると、過去の偏りを評価に取り込むことになります。

覚えておくこと

  • 公平性とバイアス:学習に使うデータや評価の項目に含まれる偏りに配慮する

(テーマ・覚えること)

1問ずつの画面で解く(4問)

このテーマの過去問

過去問を解く(2問)
前のテーマ次のテーマ:識別AIの活用(需要予測・顧客セグメンテーション)

同じ分野のテーマ(ビジネス)