分野 B|ビジネス

財務指標(ROE・ROA・ROI・自己資本比率)

今の制度の過去問(3回分)では、損益計算書だけで計算できる指標の選択と、自己資本比率の計算が、3回分で2問出ています。

シラバス案 Ver.0.1(2026年8月31日公表)の『3-11-3 代表的な財務指標』

最終更新

よく出る形

  • 損益計算書(1年の収益と費用の表)だけで計算できる指標を選ぶ(3回分で1問)
  • 貸借対照表(資産・負債・純資産の表)から、自己資本比率(返済不要の資本の割合)を求める(3回分で1問)
  • 問われるとしたら:数値例から ROE(自己資本利益率)を計算する形
  • 問われるとしたら:利益率が同じ会社の ROA(総資産利益率)の差を、事例で読む形
  • 問われるとしたら:指標の式や意味を、記述から選ぶ形

覚えること

  • 売上高利益率:利益÷売上高。売上高のうち、利益が占める割合
  • 資本回転率:売上高÷総資本(総資産)。資産を使って売上を上げた回数
  • ROA(総資産利益率):利益÷総資産。資産全体で利益を上げた効率
  • ROA=売上高利益率×資本回転率。利益率が同じなら、差は回転率に出る
  • ROE(自己資本利益率):当期純利益(最終の利益)÷自己資本(返済不要の資本)
  • ROI(投資利益率):投資から得た利益÷投資額。投資の効果を測る比率
  • 流動比率:流動資産(短期の資産)÷流動負債(短期の債務)。支払いの余力
  • 自己資本比率:自己資本÷総資本。高いほど返済不要の資本が多く、安定
  • 損益計算書だけで計算できるのは売上高利益率。ROE などは貸借対照表も要る
  • 参考:今のシラバス(Ver.6.5)の用語例は流動比率と投資利益率など
  • 参考:新案は ROA、ROE、自己資本比率なども用語例に並ぶ

数字と計算

  • 例:売上高 4,000、利益 200、総資産 2,000(単位は百万円)
  • 売上高利益率=200÷4,000=5%。資本回転率=4,000÷2,000=2回
  • ROA=5%×2回=10%(200÷2,000=10%と同じ)
  • 流動資産 600、流動負債 400 なら、流動比率=600÷400=150%

ひっかけ

  • ROE の分母は自己資本、ROA の分母は総資産。分母で値が変わる

想定問題

4問(四肢択一)。選ぶと、その場で正解と解説が開きます。

想定問題 1四肢択一

表は B 社の資料である。B 社の自己資本利益率(ROE)の値(単位 %)はどれか。

B 社の資料を、【表1】に示す。
B 社の資料(単位 百万円)
項目金額
売上高2,000
当期純利益100
総資産1,250
自己資本500

正解:ウ 20

ポイント

表の数から、自己資本利益率(ROE)を計算する問題です。

考え方と解き方

分母が自己資本だと見落とすと、同じ表の売上高や総資産で割った値を選びます。

  1. 表から、当期純利益は100、自己資本は500です。ROE=100÷500=0.2 なので、20%です。
  2. したがって、最も適切なのは ウ です。

ほかの選択肢

  • ア 5 は 100÷2,000 の値で、当期純利益を売上高で割った売上高利益率です。
  • イ 8 は 100÷1,250 の値で、利益を総資産で割った ROA です。
  • エ 40 は 500÷1,250 の値で、自己資本を総資産で割った自己資本比率です。

覚えておくこと

  • ROE(自己資本利益率):当期純利益(最終の利益)÷自己資本(返済不要の資本)

(テーマ・覚えること)

想定問題 2四肢択一

A 社の B さんは、同業の C 社と比べて、売上高利益率はほぼ同じなのに、総資産利益率(ROA)が低いことに気づいた。差が出た理由を調べるために、B さんが次に比べる指標として、最も適切なものはどれか。

正解:ア 資本回転率

ポイント

売上高利益率が同じ会社の ROA(総資産利益率)の差を、どの指標で調べるかを選ぶ問題です。

考え方と解き方

ROA の差を、よく聞く指標で比べようとすると、ROA を分けた式(利益率×回転率)にない指標を選びます。

  1. ROA は、売上高利益率と資本回転率を掛けた値です。利益率がほぼ同じなら、ROA の差は資本回転率のちがいから生じます。
  2. したがって、最も適切なのは ア です。

ほかの選択肢

  • イ 流動比率は、流動資産÷流動負債で、短期の支払いの余力を見る指標です。資産の使い方は表さないので、差の理由は分かりません。
  • ウ ROI は、投資から得た利益÷投資額で、個々の投資の効果を見る指標です。ROA を分けた式の要素ではありません。
  • エ ROE は、当期純利益÷自己資本で、株主の資本の効率を見る指標です。ROA の式に入らないので、差の理由は分かりません。

覚えておくこと

  • ROA=売上高利益率×資本回転率。利益率が同じなら、差は回転率に出る
  • 資本回転率:売上高÷総資本(総資産)。資産を使って売上を上げた回数

(テーマ・覚えること)

想定問題 3四肢択一

財務指標に関する記述 a〜c のうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

A 社の経理担当の B さんは、財務指標の意味を整理している。
  • a ROA は、利益を総資産で割って求め、資産全体を使って利益を上げた効率を表す。
  • b 自己資本比率は、自己資本を総資本で割って求め、低いほど財務が安定していることを表す。
  • c ROI は、投資にかかった額に対して、そこから得た利益がどれだけあるかを示す。

正解:イ a、c

ポイント

ROA、自己資本比率、ROI の記述を、a〜c それぞれ判定して組み合わせる問題です。

考え方と解き方

式が正しい記述は、最後の意味の部分まで正しいと読み流してしまい、高低の向きの誤りに気づけません。

  1. a は適切です。ROA は利益÷総資産で、資産全体で利益を上げた効率です。
  2. b は不適切です。自己資本比率は、高いほど返済不要の資本が多く、財務が安定していることを表します。
  3. c は適切です。ROI は、投資に対して得た利益の大きさを示す比率です。
  4. したがって、適切なのは a、c で、イ です。

ほかの選択肢

  • ア c も適切なので、a だけでは足りません。
  • ウ b は不適切なので、b、c は適切な組合せではありません。a も適切です。
  • エ b は不適切なので、a、b は適切な組合せではありません。c も適切です。

覚えておくこと

  • ROA(総資産利益率):利益÷総資産。資産全体で利益を上げた効率
  • 自己資本比率:自己資本÷総資本。高いほど返済不要の資本が多く、安定
  • ROI(投資利益率):投資から得た利益÷投資額。投資の効果を測る比率

(テーマ・覚えること)

想定問題 4四肢択一

財務指標に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

正解:エ 流動比率は、流動負債を流動資産で割って求め、短期の支払いに備える余力を表す。

ポイント

財務指標の式と意味のうち、不適切な記述を選ぶ問題です。

考え方と解き方

分子と分母を入れかえた式は、名前と意味が合っているように見えるため、読み流してしまいます。

  1. 流動比率は、流動資産÷流動負債で求め、短期の債務に対する支払いの余力を表します。エは分母と分子が逆なので、正しくは、流動資産を流動負債で割って求めます。
  2. したがって、最も不適切なのは エ です。

ほかの選択肢

  • ア 売上高利益率は、利益÷売上高で、売上高に対する利益の割合なので、適切です。
  • イ 資本回転率は、売上高÷総資本で、資産を活用して売上を上げた回数なので、適切です。
  • ウ ROE は、当期純利益÷自己資本で、株主の資本から利益を上げた効率なので、適切です。

覚えておくこと

  • 流動比率:流動資産(短期の資産)÷流動負債(短期の債務)。支払いの余力

(テーマ・覚えること)

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